☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第2回-①

BONBONCANDYにじいろじかんでは、長期の付き添い入院を経験した家族を対象にweb座談会を開催しています。今回から、2021年10月11日に行われた「☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第2回」の模様を3回に分けてお届けします! 1回目となる今回のメインテーマは、入院中の子供と親の衣服について。そして、入院中のお洗濯事情についても話題に上がりました。

第1回目の座談会の様子はこちらから
第1回-①
第1回-②
第1回-③

目次

今回の参加者

・石井 薫(かおる)さん

子供が2歳半のとき左腎明細胞肉腫になり、抗がん剤治療 ・摘出手術・放射線治療を経験
大阪市立総合医療センターに8カ月入院

・麻紀(まき)さん

子供が4歳のとき急性リンパ性白血病になり、大阪市内の病院に5カ月入院。
退院後も在宅服薬治療(抗がん剤2種類、ステロイド治療)と通院抗がん剤点滴治療(月に1回抗がん剤治療室にて)を経験

・Mさん

Mさん

子供が2歳のときにIGA血管炎になり、それが原因で紫斑病性腎炎を発病。
5カ月間の入院後、免疫抑制剤(ネオーラル)とステロイドの在宅服薬治療を経験し、現在は経過観察中。
子供の入院中に、自身の妊娠・出産も経験。
まきさんとは、同じ病院に入院していたことをきっかけに出会った。

今回のおやつ

リモートで行われるこの座談会では、孤独な食事が多かった付き添いの食事を経験したからこそ『みんなと一緒』を味わい楽しみながらリラックスしてお話しを!という思いで、毎回事務局がお茶菓子を手配します。

今回のおやつはこちら!

社会福祉法人 コミュニティキャンパス」が就労支援事業として運営しているパン屋さん「パン工房寿」のクッキーです。おいしいのはもちろんのこと、運営理念も素晴らしいパン屋さんです!

入院中の衣服、子供や親は何を着ていた?

まきさん

前回の座談会では睡眠や食事のことについて話しましたが、今回のメインテーマは入院中の衣服についてです。うちの子は、胸にカテーテルを入れていたから、前開きのパジャマじゃなければいけなかったんですが、意外と売ってなくて困りました。私は付き添いで入院していて買いに行けないから、おばあちゃんに頼んだり、ネットで買ったり。治療中は汗もかくしトラブルもあるから、1日に何回も着替えて大変でしたね。

かおるさん

前開きのパジャマは、病院からの指定だったんですか?

まきさん

はい、病院からの指定だったんですよ。うちの子は女の子だから「かわいいパジャマを買ってあげないと!」という気持ちで一苦労!かわいいお気に入りのパジャマを入手できたら、今度はそればかりを着たがって一苦労でした(笑)

そして、母親が着るものも意外と難しくないですか?病室からそのままコンビニにも行くし、夜もあまり寝られないからきちんとした服はしんどい。けど、朝は早い時間に先生が来られるからあまりパジャマすぎるのも恥ずかしいな…とか。ユニクロとGUのサイトを、めっちゃ見てました(笑)

かおるさん

やっぱり、たどり着くのはユニクロとGUですよね!うちの病院でも、付き添いのお母さんたちはユニクロ・GUばかりでしたね(笑)病院って夏は寒くて冬は暑いから何か羽織るものがほしかったんですが、探す時間もなくて大変でした。

Mさん
Mさん

大人が着られる羽織りとかも病院の売店で売ってたらいいのに!って思っていました。私は子宮頸がんの治療で別の病院に通院していたんですが、そこでは外にも着ていけそうな大人用の服が売ってました。それを知っていたから、子供が入院していた病院にも、せめて子供の分ぐらいはあったらいいのにと思っていましたね。

まきさん

そうですよね。うちも、子供用の前開きのパジャマを1種類でもいいから売っていてほしかったです。もし子供同士でおそろいになっても、それはそれで「あの子と一緒♪」って楽しくなりますよね。

Mさん
Mさん

うん、他の患者さんと話すきっかけにもなりますよね!

まきさん

あと、パジャマじゃなくて普通の服を着たがったりしませんでしたか?娘に「パジャマばっかりいや!プリキュアの服が着たい!」って言われてしまって(笑)いろんなサイトを探しつくしてやっと気に入った服が買えました!検査やリハビリで点滴を外して病室から出られるときは「プリキュアになれる!」と大喜びでその服を着てましたね(

Mさん
Mさん

まきさんの娘さんは、おしゃれなイメージがありますよ!とてもかわいかったです。

まきさん

娘はあの頃の方が服にこだわりを持っていたので、病院内でも「あの子何着てるの?」って言われるぐらい目立っていて、いろんな人に話しかけてもらいました(笑)退院してからも出かけるのは病院だけだったから、通院のときはすごいおしゃれをしていました。退院したら服の選び方が変わりますね。入院中は、ゴム付きで洗濯のしやすい服ばかりだったから。

かおるさん

あと、乾きやすさね!

Mさん
Mさん

そうそう、極力うすくて暖かいもの(笑)

かおるさん

大人が着るものは、場所をとらない、しわにならないものが便利ですよね。冬にコートを着て病室行ったら、かけるところがなくてすごく邪魔になるんです。最終的に、薄い上着を選んでいました。

Mさん
Mさん

ハンガーも少なかったですよね。かけるスペースも狭かったし。

まきさん

服をかけるスペースは問題ですね。外から着て来た服って菌の付着とか衛生面が気になるから、一旦袋に入れてぎゅっと閉じて、ベッドの下に入れたりしていました。

かおるさん

うちは夏に入院したから、長袖を探すのも大変でした。

Mさん
Mさん

家にある長袖の服を取りに帰らなかったんですか?

かおるさん

うちの子は腎臓の腫瘍でお腹が大きくなっていたから、当時持っていた服で着られるものがなくて、新しく大きなサイズの服が必要でした。でも、お店に行っても夏だから半袖しかなかったり、趣味が合わなかったりして大変でした。サイズが大きすぎて着られないこともあって、結構お金も使いました。

まきさん

確かに、お金は使いましたね。今だったら絶対買わないようなプレミア付きのプリキュアのパジャマも買いました。私の人生でプレミア物を買う日が来るなんて…(笑)でも、もとは取れたと思います!

かおるさん

子供には快適に過ごしてほしいから、入院中はお金の減り方が尋常じゃなかったと思います。病院で洗濯するのにもお金が必要ですよね。

Mさん
Mさん

病院ではテレビと洗濯にプリペイドカードが必要なんですが、なくなるのが早くて、すぐに次のカードを買わないといけませんでした!私がいた部屋はWi-Fiの電波が悪かったので、ビデオデッキを持ち込んでずっとテレビで見ていました。テレビは無料だったら助かるのに…と思っていました。

入院中、こんな服があったらうれしい

Mさん
Mさん

うちの子は手の甲に点滴が入っていたから、病院のボランティアさんが作ってくれた腕のところにボタンが付いていて開け閉めできるパジャマを貸してもらっていました。でも、ちょっと年季が入っていたからボタンが取れていて、はだけたまま着ていましたね(笑)点滴が打ちやすいようボタンが付いている既製品のパジャマがあればいいのにな、って思っていました。

まきさん

確かに、Mさんのお子さんは腕や肩がはだけたまま走っているイメージがあります(笑)
うちもカテーテルを入れる前は、毎日ボランティアさんのパジャマにお世話になりました。いろんな柄があってどれもかわいいんですけど、子供は一つの柄に執着していて少し困りました(笑)でも、そのかわいい柄から、ボランティアさんの思いが伝わってくるんです。男女どちらでも着られるような柄になっていて。あれがお店で売られていたら最高でしたよね。

Mさん
Mさん

うん、あのパジャマはほしかったです!

かおるさん

裁縫は得意じゃないけど、子供のパジャマを作ってあげたいとも思いました。

Mさん
Mさん

既製品買って、切ってボタンつけるぐらいならできるかもしれないですね。

まきさん

既製品のTシャツにマジックテープ付ける、とかね。それなら好きなキャラクターのパジャマが作れるし!

かおるさん

心に余裕があれば作れますよね、時間と(笑)

まきさん

そうなんですよね(笑)入院中はとてもじゃないけどできませんよね。そのときにできることをしてあげたいと思うけど、材料もないし…。

かおるさん

材料を見つけるのも大変ですよね。うちの子は、検査に行くときに肩がマジックテープの検査着を着ていました。それも年季が入っていて、昔ながらの古い猫ちゃんとか、色褪せた古い電車の柄とかで(笑)マジックテープも古くなっていたので硬くて、肌に当たるところが痛いって言っていました。

まきさん

売ってないからこそ年季が入っていても使われているし、たくさんの子供たちがお世話になったんだろうなって伝わってきます。そう思うと、大人の手術着とかは年季の入ったものをあんまり見たことないですよね。レンタルの服も大人用はたくさんあるし。

かおるさん

うちの子はCVケース(※1)があったから、大きいサイズじゃないと着せられなかったけど、袖は長すぎたので折っていました。あとは甚平がちょうどよかったです。夏に入院したので、大きめの甚平を買って長袖として着ていました。退院した今は、オーバーサイズで着ていた甚平をちょうど着られるぐらいに大きくなりました。背が伸びたなぁと実感します。

(※1)CVケース:体から突出したカテーテルの先端を保護するためにつけるケース

まきさん

元気にあの頃のパジャマを着られることがれしいですね!

ちょっとこぼれ話:入院中のお洗濯事情

かおるさん

入院中、病院のランドリーは混んでなかったですか?

まきさん

うちは全部自宅で洗濯して、パパが2日に1回持ってきてくれてたんです。1回あたり45リットルの袋がパンパンになる量でした。

Mさん
Mさん

うちは病院のランドリーコーナーを使っていましたが、混む時間のデータをとって空いている朝一を狙って行っていました!洗濯機のタイマーを見ていつ頃終わるかチェックしてから取りに行っていましたね。

かおるさん

わかります!病院のランドリーは、スーパーの安売りと同じぐらいみんな狙ってましたよね(笑)朝一で洗濯ができなかったらその日のリズムが崩れるんですよ。1日中ランドリーのことを考えなければならなくなるので、必死でしたね。

まきさん

そこに検査などの予定が入るから、なおさら大変ですよね。

かおるさん

そうなんです。手元の時計でランドリーが終わりそうな時間をタイマーでセットしておくんですけど、もう終わるってときに限って子供がぐずったりするんですよね。

Mさん
Mさん

そうそう。洗濯が終わってもすぐに取りに来られない人もいるから、とにかく早く行かなければ!という焦りがありましたね。

かおるさん

前の人の洗濯が終わっているのに取りに来られてない場合は、次の人が洗濯物を取り出してから使ってもいいって紙が貼ってあるんです。でも、他の人の洗濯物を取り出すのはなんだか申し訳ないし、取り出しているところで対面するのも気まずいんですよね。「あと2秒か3秒で来るかな?」とか思いながら、焦って洗濯していました。

Mさん
Mさん

今では懐かしいと思えますよね(笑)

次回予告

☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第2回-②では、入院中の遊びやおもちゃのことについてご紹介する予定です!

☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会への参加者も募集中です!

BONBONCANDYにじいろじかんでは、長期の付き添い入院を経験した家族を対象にweb座談会を全6回開催予定で、参加してくださる方を募集中です!ご自身の経験を共有することで、救われる誰かがいるかもしれません。開催日は柔軟に対応できますので、ぜひお気軽にお問合せください!

詳しくはこちら

『付き添い家族の知恵袋 web座談会』の活動は

・日本コープ生活協同組合連合会様の「地域ささえあい助成」

・公益財団法人コープともしびボランティア振興財団様幹事に兵庫県の企業12社様よりこご支援いただく「やさしさにありがとうひょうごプロジェクト」にて実現に向けての資金のご提供をいただきました。

次のお話はこちら(第2回-②)

目次
閉じる