BONBONCANDYにじいろじかんでは、長期の付き添い入院を経験した家族を対象にweb座談会を開催しています。このブログでは、2021年10月11日に行われた「☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第2回」の模様を3回に分けてお届けしています。2回目となる今回のメインテーマは、入院中の遊びについてです。
今回の参加者
・石井 薫(かおる)さん
子供が2歳半のとき左腎明細胞肉腫になり、抗がん剤治療 ・摘出手術・放射線治療を経験
大阪市立総合医療センターに8カ月入院
・麻紀(まき)さん
子供が4歳のとき急性リンパ性白血病になり、大阪市内の病院に5カ月入院。
退院後も在宅服薬治療(抗がん剤2種類、ステロイド治療)と通院抗がん剤点滴治療(月に1回抗がん剤治療室にて)を経験
・Mさん
子供が2歳のときにIGA血管炎になり、それが原因で紫斑病性腎炎を発病。
5カ月間の入院後、免疫抑制剤(ネオーラル)とステロイドの在宅服薬治療を経験し、現在は経過観察中。
子供の入院中に、自身の妊娠・出産も経験。
まきさんとは、同じ病院に入院していたことをきっかけに出会った。
増え続けるおもちゃやDVD
前回、Mさんが病室にビデオデッキを持ち込んでいたというお話がありましたが、入院中の子供の遊びってどうしていましたか?うちは各ベッドにはテレビがなくて、無料レンタルできるテレビを自分でベッドサイドに持ってくる方式でした。それを借りるのも面倒だったので、すごく高かったけどポータブルのDVD・テレビを買いました。
うちは、パパが病院へ来るたびにプラレールとかのおもちゃを買ってました。そうしたら、パパ=おもちゃを持ってくる人になってしまって(笑)子供に機嫌よく過ごしてもらうためにはおもちゃが必要でしたね。
パパも子供に喜んでもらうために、大量におもちゃを持ってくるんですよね。
そうそう、パパと交代するとき「今日はどれだけ持ってきたの!?」って、まずパパの手を見るんですよ(笑)
最初はそれでよかったんですけど、途中からパパがおもちゃを持って来ないと子供が残念がるようになってしまって。このやり方はダメだ!と、パパにはおもちゃなしで来てもらうことにしました。
入院生活、先は長いですもんね。
人との遊びが、こころの栄養に
大部屋だと、同年代の同性の子供だと戦いごっこが始まったりして手が付けられなくなるんです。なのでうちは、なるべく女子部屋か、男子でも小学生以上の子の部屋にしてもらっていました。遊びの歯止めがきかなくなると親もしんどいし、落ち着いて過ごせるように病院にお願いしてましたね。
治療に使う薬の副作用で、夜も寝られなかったりするし、気持ちのコントロールも難しかったですもんね。テンションが上がった状態で戦いごっこすると危ないし、大部屋ではそういった配慮も必要ですね。
うちの子は途中からカーテンを開けて、女の子と一緒にDVDを見たりしていました。
そういうのいいですよね。うちもお母さんが仕事で不在の子と遊んだりしてました。
そうそう、小さな保育園ができてましたよね。
お菓子もあげたいんだけど、簡単にはあげられない状況でしたね。個包装じゃないとダメだし。ママがいいって言ってくれたときは、あげたりしていました。
おやつのやりとりは悩みますよね。食事制限もあるし。
あとは、点滴を親が持ってあげて、子供はボールを蹴ったりしていました。点滴があると遊ぶのもなかなか難しいですが、少しでも動きやすいように点滴台の車輪がスムーズなものに変えてもらったこともあります(笑)点滴台を変えてもらったときは、体調がよくて元気に走り回れたからうれしいかったです。
看護師さんに何かお願いするのに悩んだこともあったけど、今のかおるさんのお話みたいに、「元気になったから、この子のためにお願い!」ということだと、気持ちもちょっと楽になりますよね。入院している当時は「こんなのわがままだよね…」って思うこともあったんですが、今なら言ってもいいと思えます。Mさんのお子さんは、元気になってきたときに病室にずっといるのがしんどい時期がありましたよね。
はい。病棟内をずっと走っていましたね。
本人さんたちは、「しんどいときにうるさくしてごめんね」と申し訳なさそうだったけど、その様子がうらやましくてがんばろうと思えていました。当時の心の支えでしたよ。
うちも、いつも走り回っていたから「いつも励みになります!」って周りのママに言われて、すごくうれしかったです。
うちの子はちょっと暴れすぎていた気もしますが(笑)看護師さんの詰所も自分の部屋のようにしてましたし、先生のPCでYouTubeが見たいって言ったり、先生と戦いごっこしたり…。
主治医の先生もよく遊んでくれる先生でしたよね!
そうなんです!30~40分も遊んでくれていましたね!
うちは、保育士さんにも助けられていました。部屋まで来てくれるんですけど、みんなピンクの服を着た保育士さんが大好きで名前を叫んで呼ぶんです(笑)ベッドから手を出して「おもちゃちょうだい!」「こっち来て!」って、みんな保育士さんを自分のものにしたいんですよね。保育士さんも忙しいのに遊んでくれたりして、本当に感謝しています。
あと、治療をがんばったときにもらえる「がんばったシール」も励みになりましたね。好きなキャラで作ってくれて、子供もよろこんでいました。
あれは宝物ですよね。今もまだ全部とってあります。
治療名とか薬の名前が書いてあって、いろんな人が支えてくれたなと、改めて感じます。当時は「このシール貼れるからがんばろう!」と思っていましたが、今見ると、さらに深さがあると感じます。
カテーテルを固定するテープにも貼ってくれたりしていました。子供はそれだけでご機嫌になったりしていましたね。
あのパワーはすごいですよね。
あと、ボランティアとして美術の先生が来てくれたのがよかったです。絵の具とか粘土とか部屋ではできないことをさせてもえました。子供も楽しみだったし、親もリフレッシュになってましたね。
うちは1回だけ参加しました。個室まで来てやってくれるから、特別感がありましたね。その後、私たちがクリーンルーム(※1)に入って行けなくなってしまったんですが、親子にとってありがたいイベントでしたね。
(※1)クリーンルーム:免疫が低くなった場合に使用する無菌室
うちはコロナが流行した後に入院したので、イベントなどがまったくないまま退院でした。
今は、私たちが入院していた病院でも中止されているみたいです。道化師さんも来てくれてたんですが…。
道化師さんは、オンラインで見てました!子供は怖くて泣いていましたけど(笑)
道化師さんは実写の方がよかったかもしれないですね(笑) 道化師さんが来てくれる前後は「ピエロさんが来るよ!」って言うとがんばれるんですよ。うちはお気に入りのプリキュアの変身ドレスで参加したら、道化師さんにいじってもらえてうれしそうでした!
私は道化師さんが来てくれるときにちょうど出産で、子供が楽しんでいる姿を見られなかったんですが、楽しんでいたという話を聞くだけでもうれしかったですね。子供が入院しているのと同じ病院で産んだので、出産後は子供が私のお見舞いに来てくれたりしていました。
そんな環境めったにないですよね!親子で励まし合える状況でいいですね。
最初は「同じ病院で産みたい」と言っても、病院としては消極的だったんです。最終的に小児科の部長さんが動いてくれて、なんとか同じ病院で出産でき、子供も会いに来ることができました。今はコロナのこともあって難しいかもしれませんが、こういうときに一緒に安心して過ごせる空間があればいいのに、と思います。親子ともに離れるのは不安ですから。
子供の入院の場合、親が一緒にいてこその治療となるから、離れるのは不安ですよね。
おばあちゃんには任せにくいんですよね。私なら子供の小さな要望もわかってあげられるから、ずっと一緒にいたいと思っていました。
ちょっとこぼれ話:隣の芝(おもちゃ)は青い?
病院からおもちゃの貸し出しはありましたか?
あったけど、うちは貸してもらえるおもちゃの制限もあって、プレイルームのおもちゃはNGでした。それでも、おもちゃを貸してもらえると子供は喜んでいましたね。同じようなおもちゃを持っていても、貸し出しのおもちゃの方がうれしいみたいでしたね。
うちは同じ部屋に同じ年代の男の子が3人、女の子が1人いたんですが、自分が病院からレンタルしたおもちゃじゃなくて、よその子がレンタルしたものを欲しがっていました。子供同士で貸し合うにも、まずは消毒しないといけないし、簡単に交代できないんですけど、やっぱり、人が持っているものが気になるみたいでした。
人のものがよく見えますよね!うちも、病院のレンタルじゃないけど、友達が持っていたパズルを気に入って、お揃いのものを何個か買いました。親としても、知育玩具など新しい発見がありましたね。
次回予告
☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第2回-③では、入院中の母のストレス発散法ついてご紹介する予定です!
☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会への参加者も募集中です!
BONBONCANDYにじいろじかんでは、長期の付き添い入院を経験した家族を対象にweb座談会を全6回開催予定で、参加してくださる方を募集中です!ご自身の経験を共有することで、救われる誰かがいるかもしれません。開催日は柔軟に対応できますので、ぜひお気軽にお問合せください!
『付き添い家族の知恵袋 web座談会』の活動は
・日本コープ生活協同組合連合会様の「地域ささえあい助成」
・公益財団法人コープともしびボランティア振興財団様幹事に兵庫県の企業12社様よりこご支援いただく「やさしさにありがとうひょうごプロジェクト」にて実現に向けての資金のご提供をいただきました。