☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第6回-③

BONBONCANDYにじいろじかんでは、長期の付き添い入院を経験した家族を対象にweb座談会を開催しています。このブログでは、2022年1月にLINEで行った「☆付き添い家族の知恵袋☆web座談会 第6回」の模様を3回に分けてお届けしています。3回目となる今回のメインテーマは、「闘病中の子供たちへの想い」と「今後の医療体制、今の医療体制について思うこと」です。

第6回目の①の様子はこちらから
第6回目の②の様子はこちらから

目次

今回の参加者

・Mさん

Mさん

子供が2歳のときにIGA血管炎になり、それが原因で紫斑病性腎炎を発病。
5カ月間の入院後、免疫抑制剤(ネオーラル)とステロイドの在宅服薬治療を経験し、現在は経過観察中。
子供の入院中に、自身の妊娠・出産も経験。
まきさんとは、同じ病院に入院していたことをきっかけに出会った。

・石井 薫(かおる)さん

子供が2歳半のとき左腎明細胞肉腫になり、抗がん剤治療 ・摘出手術・放射線治療を経験
大阪市立総合医療センターに8カ月入院

・麻紀(まき)さん

子供が4歳のとき急性リンパ性白血病になり、大阪市内の病院に5カ月入院。
退院後も在宅服薬治療(抗がん剤2種類、ステロイド治療)と通院抗がん剤点滴治療(月に1回抗がん剤治療室にて)を経験

質問:闘病中の子供たちへの想いと、今後の医療体制・今の医療体制について思うことは?

Mさん

Mさんの場合

・闘病中の子供たちへの想い
コロナ禍での入院生活では家族が付き添えず、寂しい思いをしている子供たちもいると思います。薬や検査で、つらい思いもすることもあると思います。子供たちには我慢せず何がしんどくてつらいのか、泣きながらでもいいので看護師さんや担当医の前で気持ちを吐き出してほしいです。それは付き添いをされているパパやママも一緒です。吐き出すことで気持ちも楽になるのと、少しながらでも何かしらの対応をしてもらえると思います。

・医療体制について
病院によっては付き添いの方の食事がでる病院もありますが、子供と同じ食事がとれるように、どの病院でも付き添いの方の食事が提供されることを望みます。
子供の入院を通して、親子で食事をとることの大切さを子供から学びました。「食事内容が違っていても一緒に食べられたらいいでしょ?」と最初は思っていましたが、子供が言う「一緒に食べたい」というのは「同じ食事内容で一緒に食べたい」ということでした。それに気づいてからは、病院から提供されるメニューを事前に確認して、私の分も極力同じようなおかずを用意するようにしていました。子供の体調が悪いときは一緒にお粥を食べたりもしました。子供が安心でき、少しでも家庭に近い環境で楽しく入院生活が送れるように、親子で同じ食事がとれるようしてほしいです。

※画像はイメージです。

そして、子供にとっての癒やしであるオモチャについて。大学病院などでは、オモチャの持ち込みの数に制限がある場合があります。紛失防止のためであったり、ベッド周りのスペースが限られていることもわかりますが、好きなもので好きなだけ遊べるようにオモチャの数の制限をなくしてほしいと思います。

◎boncanコメント
Mさんのお話を通して、しんどいときに「しんどい」と言えることの大切さを感じました。「しんどい」と口にするのは弱いことだと思われている方もいるかもしれませんが、自分の心身を守るためにも「しんどい」と言えることは、とても勇敢なことだと思います。たくさんの我慢を強いられる闘病生活を送る子供や家族が、少しでも安心して過ごせる環境を整えられるよう、boncanにできることを進めていこうと思います。

かおるさんの場合

・闘病中の子供たちへの想い
現在も病気と戦っている子供たちが笑顔でいられる時間が1秒でも多くありますように。大好きな人とたくさんの時間を過ごしてほしいです。楽しいこといっぱいしようね!!また時代はコロナ禍で、子供が遊ぶことに対しても制限ができてしまいました。少しでも早くこの状況が改善させることを願います。

・医療体制について
医療従事者の皆様には、コロナ禍での人手不足の深刻化や、感染予防対策の徹底など厳しい環境の中、最善を尽くしていただき感謝の言葉しかありません。心より感謝申し上げます!!医療従事者の皆様にとってもよりよい状況になることを祈っております。

◎boncanコメント
コロナの流行で、闘病中の子供や付き添い家族、そして医療従事者の方も厳しい状況に直面しています。想像するだけで心が痛みますが、小さくても自分にできることを探し続けたいですね。小さな優しさや思いやりも、連鎖していけば厳しい現状を乗り越える力になると信じたいと思います。

まきさんの場合

・闘病中の子供たちへの想い
今を頑張って生きるお友だちへ
あなたのがんばりを、まわりのみんながしっています。そして、あなたのことをおもいながらおうえんしています。だから、しんどいときは、「しんどい」とつたえていいし、「いま、いっぱいがんばってるよ」とつたえてくださいね。

「たのしいことをしたい」「あそびたい」って、たくさんつたえてくださいね。きっと、みんなくふうをしながら、たのしいをいっしょにさがしてくれるとおもうし、わたしたちは、いっしょにさがしたいとおもっています。

そして、いろんなことをがんばってくれているあなたにこころからありがとう。
あなたががんばっているすがたに、みんながゆうきをもらっています。

※画像はイメージです。

・医療体制について
医療の発達により救われた命に日々感謝しながら、今も毎日を送っています。そんな中でもふと、母心として治療生活中の制限に心が重くなるときがありました。

制限があるのは、身体を守ることを最優先しているからだということも理解しているつもりでしたが、それでも心を1番に守ってあげたいと思うこともありました。治療後の生活をスムーズに送れるように、リスクが多少あってもやりたいことをやらせてあげたい、笑顔を増やしてあげたいという気持ちが生まれるときもありました。

つらい薬の副作用がもっともっと軽減されてほしいです。にがい薬が飲みやすくなり、飲む量も減らせることを望みます。食べ物の制限も緩和して、少しでも子供たちの身体と心の負担が軽くなるようになって欲しいと思います。

そして、治療中であっても子供が子供らしく過ごせて、家族みんながより快適に過ごせる環境等が整えばいいと思います。付き添い家族の方々の負担も軽減されるよう、私にできることがあれば尽力していきたいと思います。

そして、治療をいつも支えてくださっている医療関係の方々、最善を尽くしてくださろうとするお姿に、幾度となく親子共々助けていただきました。コロナ禍で医療従事者の方々はより一層大変だと思われます。いつもたくさんの命を守っていただきありがとうございます。心より感謝、御礼申し上げます。

◎boncanコメント
保育士さんでもある、まきさん。子供たちに向けた優しいメッセージに目頭が熱くなりました。このメッセージを届けるべく、boncanも活動していきます!心と身体は本来なら同じはずなのに、治療ではどうしても「身体>心」となってしまうシーンがありますね。子供たちの心を守り癒せるよう、アートキットの配布などの活動を続けていこうと思います。

最後に

6回に渡ってお届けしてきた『付き添い家族の知恵袋 web座談会』のブログも、今回が最終回となりました。まずは、勇気を出して座談会に参加してくださった方々に感謝申し上げます!そしてこのブログを読んでくださっている皆さん、いつもありがとうございます。

しんどい経験は、自分一人で抱えていたらしんどいままかもしれませんが、勇気を出して共有することで、多くの人に気づきや癒しを与えてくれます。そして、参加してくださった皆さんにとっても、この座談会が癒しとなれていたら幸いです。

子供の病気の経験がない方にとっては、このブログにつづられていることは読むのもつらい話だったかもしれません。でも、どうか、目をそらさずにいてほしいです。日本には、世界には、今日も命をおびやかす病気と懸命に戦っている子供たちがいることを知ってほしい。そして、どんなに厳しい現実からも逃げずに、あきらめずに、はるか先にある光を信じて子供とともに戦っている家族がいます。「闘病」とか「病気と戦う」という言葉はなんだか物騒な響きですが、そこにはたくさんの愛や優しさがあることも、この座談会を通して知ってもらえたら幸いです。

boncanはこれからも、この座談会を通して得られた知恵を活かして、付き添い家族が抱える課題の解決に取り組んでいきます。最後になりましたが、この座談会を実施するにあたり、応援いただいた企業様・団体様にも改めて感謝申し上げます。

『付き添い家族の知恵袋 web座談会』の活動は
・日本コープ生活協同組合連合会様の「地域ささえあい助成」
・公益財団法人コープともしびボランティア振興財団様幹事に兵庫県の企業12社様よりこご支援いただく「やさしさにありがとうひょうごプロジェクト」にて実現に向けての資金のご提供をいただきました。

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